2月10日、岡山にある岡村一心堂病院へ。F部長が迎えてくださった。ハイパーサーミアと放射線治療でかなりの臨床データがある九州の病院からきている先生にみてもらえるように、準備して待って下さっていた。東京医科大学病院の紹介状、一連のデータを見てもらってCTをとってみようということになった。CTもあまりとりたくはないが、ノーチョイス。CTをとる。それを診て放射線専門の放射線担当の先生の話を聞く。放射線担当の先生は、ハイパーサーミアの認定医師だが、パパの症状をみて、ハイパーサーミア単体の治療では治す自信がないから、当病院では単体治療ではお受けできませんとはっきり言われた。要するに、放射線と併用しろということを言われた。ワタシたち、はこの言葉で放射線担当の先生を信頼することができた。すぐ入院して、放射線とハイパーサーミアを併用した治療をしてもらうことに決めた。
CTの結果、パパの再発進行状況は、腰椎に約6cm*4cmの腫瘍があり、脊柱管や左腸腰筋に浸潤もあった。左足にしびれがあるわけだ。放射線担当の先生は、あくまでもPBSCT(大量抗がん剤+幹細胞移植)を勧めた。それも放射線担当の先生を信頼する理由のひとつとなった。
ご存知のとおり、一般的には血液のガンに関しては、放射線治療は有効な選択ではない・・・と血液内科の先生は言う。誰でもわかるように、血液の中にガンがあるわけだから、全身にガンがあるとう理解でいいと思う。そういったガンの性質上、固形ガンならそこに集中して放射線治療をするということが効果的なんだが血液のガンの場合は、そうではない。放射線担当の先生も同様のことを言ってたが、なんとなく、今回は幹細胞移植はしてはいけない気がしていたので、ハイパーサーミアを主体にした放射線治療をパパにさせたかった。
放射線治療は、できるだけ少ない量で・・・とお願いはしてみたが、放射線担当の先生は「20Gyと考えていたが、CTをみて40Gyはしたほうがいいと思う。いや、そうしてください。」と言った。
2月14日、入院。翌日からハイパーサーミアと放射線治療、1日2Gy、合計20回(40Gy)の治療が始まった。微量元素水をお願いして送ってもらい、キレート水も準備した。パパには微量元素水は、いつものようにたくさん飲んでもらった。治療は準備に20分ほどかかるらしいが、始まると5分程度で終わってしまうことに、パパは気が抜けていた様子。これも初体験なので、わくわく(?)していたパパだったけど、「なーんだ。痛くもなんともない」と言っていた。(それでいいんちゃうのん(笑))初日終了後、パパはひさしぶりに激痛が無くなり、熟睡できた。少しづつ歩けるようにもなってきた。週末には外泊もさせてもらえた。しかし腰がもろくなってるのに、抗がん剤治療中に出産した下の子を抱っこして、どうも骨折を起こしてしまった。またすごーい激痛。血液検査の結果をみると、白血球数値とCRP(炎症反応)が、ぐんと上がっている。たぶん骨折だろう。。。あー心配。パパには骨折していると思うから、とにかく安静に、安静にしてて。。。とお願いした。
3月10日、約1ヵ月後、一連の治療が終了し、MRIを実施する。結果は目に見えてわかるぐらいに顕著に縮小していた。放射線担当の先生いわく、放射線治療の結果は、もっとあとにでると。ワタシ的に解釈しているのは、放射線治療終了直後のフィルム検査は、焼死されられたガン細胞がカゲとなって移っているからだろうと思う。「顕著に縮小・・・」裏返せば、パパのカラダには、まだガン細胞があるということ。しかし嬉しいことがあった。それは血液検査の結果。ガンがわかってから今までの間、かつてなかったような健康体そのものの血液検査の結果データがでた。ワタシはこれこそ、ハイパーサーミアのおかげ、ひいてはF部長のおかげたと思っている。パパは岡山で入院しているのに、すでに外出許可をもらって仕事を始めていた。それほど副作用などまったくなく、すこぶる快調だった。実際、パパがハイパーサーミアの治療を体験し、カラダを温めることの良さが、もっとよくわかった。
現在、保険が適応される温熱治療は、ハイパーサーミアだけしかない。また現状の保険適応ハイパーサーミアは、実質、局部治療となっている。温熱治療が全身に利用できるよう、早くなってほしい。またおなかがデブでも、腹毛があっても、チクチクしないように機械を改良してほしいし、正常細胞は40度程度までの高温を保持しつつも、ガン細胞だけを例えば、45度にできる、といった研究が進むことを願いします。放射線担当の先生をはじめ、F部長、メーカーのSさん、言葉に表せないぐらい感謝しています。この治療を選択して良かったと感じています。本当にお世話になり、ありがとうございました。
4月19日、その後、続けて週2回、ハイパーサーミアを7回実施させてもらって、今回の治療は終了した。このころ、ワタシの左首になにやらしこりができた。そう、ワタシはまたもや想像妊娠ではなく、想像副作用も経験し、今度は想像悪性リンパ腫のようだ。心配したパパは、パパのハイパーサミアの日に、放射線担当の先生にワタシを診察してくれるようお願いした。先生は「悪性リンパ腫は、移らないですからね(笑)」と笑ってた。「たぶん風邪かなにかをこじらせてるだけだから、抗生物質を飲んでください。」薬を一切飲まないワタシたちを知っている先生は、「この薬はそんなきついものじゃないから、安心して飲んでください」とまで(笑)説明してくださった。お気遣いありがとうございました。先生の言うとおり、1週間後にはしこりは消えていた。
先生は、最後の最後まで「くれぐれもそのままほっておかないように。必ず、東京医科大学病院へ行ってくださいね」と言ってくださった。しつこいぐらい、言われた。東京医科大学病院の主治医の先生にも、いろいろと報告に行きたいので、必ず行きます。ご心配ありがとうございました。